第二種電気工事士の技能試験には「複線図」というものがあります。
この複線図というのは、簡単に言うと「設計図」のようなもので、この設計図がないと作品をどう作っていけば良いのか分からないんですよね。
そんな大切な複線図ですが、今回は基礎的な部分について解説していきますよ!
第二種電気工事士技能試験|複線図の基礎
「複線図を描くことはとても大切なことです」とよく耳にしますが、そもそも複線図ってなんやねん!と思いませんか?
そこで複線図の重要性について順番に解説していきますよ。
そもそも複線図ってなに?なんのために描くの?
さて、まずは受験案内に記載されている候補問題を見ていきましょう。
こちらは単線図と呼ばれる図です。
第二種電気工事士の技能試験本番ではこの単線図で出題されます。
単線図を見てみると、なんだかシンプルな感じの図ですね。
各器具に線が1本ずつ描かれています。でも実はこれ、電線が何本であろうと1本の線で表す図なのです。
このままではどのケーブルを使えば良いかわからないので、まずは電線がそれぞれ何本必要なのか知る必要があるのです。
そこで登場するのが複線図ってやつです。
複線図をよくみると、電線の本数が分かるようになっていますね。しかも、どの電線同士を接続すればいいかも分かると思います!
このように、複線図を描くことで実際の電線の本数がわかって、接続する電線同士の色を明確にできるのです。
ポイントをまとめました!↓
- 「単線図」は複数の電線を1本の線で表している。
- 「複線図」は実際の電線の本数がわかり、接続する電線同士の色もわかる。
- ミスを減らすうえでも、複線図を描く練習をしよう!
技能試験当日に複線図って必要なの?提出したりする?
第二種電気工事士の技能試験では、あなたが描いた複線図を採点することはありません。
なので、複線図は100%絶対描かなければならないというわけではないのです。
そうなんですよね。第二種電気工事士の技能試験はたったの40分しか作業時間がありませんから、複線図を省略したいとも思いますよね。
ただ、先ほどにも解説したように電線の本数や色がわからないと作品自体が完成しないんですね。
すでに電気に詳しくて単線図だけで充分わかるよって人は描かなくても良いですが、複線図を描くことで確実にミスを減らせるでしょう。
複線図には寸法を記入した方が良い?
ぼくは複線図へ各寸法を記入することはしなくて良いと思います。
最初から単線図に各寸法が記載されていますし、第二種電気工事士の技能試験本番は40分と短い時間で作業を完了させる必要があるからです。
寸法は記入せず単線図で確認するようにすると良いかなと思います!
また、ぼくの場合は施工寸法はほぼ気にしないで作品を作って合格できましたので、興味があればチェックしてみて下さい。↓
複線図を描く前に知っておきたい電線の色について
複線図を描く上で、事前に知っておきたい電線の色についてまとめました。
少々難しそうなイメージですが、イラスト付きで簡単に解説しますので是非お付き合いくださいませ!
黒線と白線について
まずは以下のイラストを見てください!
ブレーカーからコンセントまで伸びる電線には、黒線と白線の2本の電線があります。
このイラストにあるように、100Vある危険な電線のことを黒線(非接地側電線)と呼びます。
一方、0Vの比較的安全な電線を白線(接地側電線)と呼びます。
そして、この電線2本の間には100Vの差がありますよね。
この電圧の差を電位差と呼ぶのですが、この電位差があることで電気が流れるんです!
アース線について
イラストをよく見ると、白線(接地側電線)には地面と線がつながっていますね。
これは緑色の線で、アース線(もしくは接地線)と呼びます。
それぞれ電線に触れるとどうなるのか?
次はそれぞれ電線に触れたときにどうなるのかについて考えていきます!
例えば、このイラストにある100Vある危険な電線(黒線)に触れたとします。
そうすると、地面との電位差(対地電圧)は100Vとなるので人は感電します。
続いて、このイラストにある0Vの安全な電線(白線)に触れたとします。
そうすると、地面との電位差(対地電圧)は0Vとなるので人は感電しません。
非接地側電線として、今回は黒線だけを解説しましたが、黒線のほかに赤線も同じ役割で使います。
ここまでの解説をまとめてみました!↓
- 接地ありの電線を「接地側(白線)」と呼びます。
- 接地なしの電線を「非接地側(黒線・赤線)」と呼びます。
- 接地を別名「アース」と呼び、電線の色は「緑色」を使います。
- 接地されていると、感電を防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はこれから複線図を描いていくうえで知っておきたい基礎から電線の色について解説してみました。
複線図は作品作りのうえでも、とても重要な部分なんだと知って頂けたかと思います。
複線図の基礎が分かったら、こんどは複線図の描き方について学んでいきましょう!
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