本日の1冊は『生きる-どんなにひどい世界でも』。
脳科学者の”茂木健一郎氏”と臨床心理学者の”長谷川博一氏”の対談本です。
本書では、「なぜ生きづらいのか?」について心と脳の両面からアプローチ。
何となく抱いていたモヤモヤが書かれていて「あー、たしかに、そういうことかー」という気持ちになります。
対談形式で読みやすいのも特徴です。
・生きづらさを感じている人
・生きることが難しく感じる人
・“フツウ”に違和感がある人
本を読んで生き方が変わるわけではありませんが、見える世界がちょっとだけ広がるようなそんな本です。優しいので、ぜひ皆さんに読んでほしいです。
📖この記事を書いてる人📖
年間0冊の読書嫌いから月20冊の読書好きになった26歳男性。
「読書嫌いへ自由に楽しむ面白さを!」をコンセプトにブログで本の魅力を発信しています。
私たちを縛る社会と世論
生きづらさの正体、それは日本社会にある「○○であるべき」という世論。
本書では”あるべき姿の硬直性”という言葉で表現されています。
ほとんどの人が一度は感じたことがあるはず。
・大人なんだから…
・ママなんだから…
・30代なんだから…
あるいは「この人は○○だから」のパターンもあります。
・あの人は教師だから…
・あの人は△△って病気だから…
・あの人はきっと危ない人だから…
本当に生きづらいなと思います。本当に。
本書では“ラベル分類の傾向が強まっている”と評価していますが、私自身、人間を収納する枠組みが少しずつ強いものになっているような感覚があります。
一見自由に見えるけど、それは鳥かごの中の自由だった、的な感覚です。
世間を構成しているのは人間なのに、人間が世間に縛られている。なんとも不思議なことが起こっています。
個性があるのに個性がない人たち
こうした枠組みの中で考えている限り、個性も見えにくくなっていると感じます。
本来、人間と言うのは全員違う生き物です。
それなのに、小さな枠の中で比べようとするから、必死になって違いを探して、挙句の果てに「自分らしさって何だっけ…」となってしまいます。
やはり、人間である以上、本書で長谷川さんも言っているように“できてもできなくても無条件にそれでよしとする”ことが大事だと思います。(現行の価値観的に難しいのはわかっていますが、どうしても大事だと思います。)
競争社会の中にいると、その人の“顔”がなくなって、時には自分がわからなくなるかもしれません。
でも、「自分はそこにある。どんな自分だって、価値ある自分。」ということを片隅に置いておくと良いんじゃないでしょうか。
まさかの完全一致
最後に、どうしてもボヤかせてください。
本書の茂木健一郎さんの考えと、私の考えが完全一致したのです。(本当に100%一致かはわかりませんが。)
茂木さんは、「人生は虚無」と言っています。なぜなら、「どうせみんな死ぬから」。
万人に共感される感覚じゃないとも言っていますが、少なくとも私はここ最近よく考えています。
まさか茂木さんも同じ感覚だとは…驚きです。
生きていれば良いことがある
今回は『生きる-どんなにひどい世界でも』をご紹介しました。
「生きていれば必ず世界の見え方が変わる瞬間が来る」と本書は締めくくられています。もし現世に生きる意味を見出せなくても、とりあえず生きて欲しいと私も思います。
よかったら読んでみてください。それではこのあたりで失礼します。
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